『PUCCINI’S TURANDOT』の12曲目は【NESSUN DORMA】(以下【だれも寝てはならぬ】)。

 これは言い訳ではなくて,管理人は本当に『PUCCINI’S TURANDOT』を100回は聴いている。しかもアルバム全編を1曲目から13曲までを通して100回は聴いている。

 だから【だれも寝てはならぬ】が『PUCCINI’S TURANDOT』の最高潮を成す曲であることがよく分かるし,オペラの構成や流れの大切さを感じてもいる。その意味では【だれも寝てはならぬ】にしても「組曲」の中の1つのパーツとして鑑賞すべき曲であろう。

 だから2。『PUCCINI’S TURANDOT』のトラック批評は無しでもよい。でもそれだと読者の皆さんに満足いただけないだろうから【だれも寝てはならぬ】のレビューだけでも記しておこう。

 【だれも寝てはならぬ】でのルチアーノ・パヴァロッティはジョー・ロヴァーノである。ジョー・ロヴァーノテナーサックスが“歌い上げている”!
 テナーサックスの“張り”が十分で,ここに文句など一切ないのであるが,これが10回20回と繰り返し聴き続けると【だれも寝てはならぬ】に「ジャズの目覚め」を感じてしまう。

 【だれも寝てはならぬ】が実にジャズ・アレンジにマッチしているんだよなぁ,これが!
 特にリズム隊の厚みが凄い! ギターが2本,ピアノが3台,ツインベースツインドラムオーネット・コールマン仕様!

 あのゲイリー・ピーコックポール・モチアンツインベースツインドラムの「片割れ」として使い切る,ボブ・ベルデン恐ろしや〜。
 絶対に自分で吹きたくなる衝動をグッと抑えてジョー・ロヴァーノに吹かせるところに,ゲイリー・ピーコックポール・モチアンも一目置いていることと思う。
 ジェイ・アンダーソンジョー・チェンバースの「半落ち具合」がまたいい仕事しているんだよなぁ,これが!

 読者の皆さんは『PUCCINI’S TURANDOT』を,そして【だれも寝てはならぬ】を,メロディーで楽しまれますか? リズムで楽しまれますか? どちらに寄っても50回は楽しめますよっ。

 
THE BOB BELLDEN ENSEMBLE
JOE LOVANO : Tenor Saxophone
TIM HAGANS : Fluegelhorn
RON KOZAK : Bassoon
FAREED HAQUE : Acoustic Guitar
JOHN HART : Electric Guitar
KEVIN HAYS : Acoustic Piano
MARK COPLAND : Wurlitzer Electric Piano
LARRY GOLDINGS : Hammond C-3 Organ
GARY PEACOCK : Acoustic Bass
JAY ANDERSON : Acoustic Bass
PAUL MOTIAN : Drums
JOE CHAMBERS : Drums

PUCCINI'S TURANDOT-1
PUCCINI'S TURANDOT
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