『LOVE FOR SALE』の6曲目は【AUTUMN LEAVES】(以下【枯葉】)。

 ハンク・ジョーンズも過去に何度も演奏してきたであろう,超有名スタンダードの【枯葉】である。
 『LOVE FOR SALE』に収録することを決めたのだから,ハンク・ジョーンズなりに他とは違う自負がある,自分史上ベストな【枯葉】なのだろうが,前にも書いたが管理人がハンク・ジョーンズを聴いたのはキース・ジャレットビル・エヴァンス以降のこと。当然,両者と比較して聴き劣りする感は否めない。

 ハンク・ジョーンズって基本,地味と言うべきか,余り自分の色を出さない,原曲の美しさを損なわない演奏家なので跳ねる演奏はほとんどない。キース・ジャレットビル・エヴァンスの爆発する【枯葉】を愛聴する者としては軽く一蹴して終わりであった。

 そんな中,遊びに来ていた友人が,BGM代わりにかけていた【枯葉】をいたく気に入るという事件があった。それがきっかけとなりハンク・ジョーンズの【枯葉】の良さを見直した。

 凄い崩しっぷりである。素直にメロディーを弾いているイメージ,テーマを大事にしているイメージがあったが,全然である。ほぼ全編がリズムをアウトさせながらのインの範囲の中でのアドリブ・ショー。

 今まで真剣に聞かなかったので気付いていなかっただけの弾きまくり! でもどこからどう聴いても【枯葉】になる,ハンク・ジョーンズの“百戦錬磨”を思い知らされた,思い出の【枯葉】である。以後の管理人のモットーは「ハンク・ジョーンズは侮れない!」。

 
THE GREAT JAZZ TRIO
HANK JONES : Piano
BUSTER WILLIAMS : Bass
TONY WILLIAMS : Drums

LOVE FOR SALE-1
LOVE FOR SALE
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION



詩編109編 神は貧しい人の側に立つ
デューク・ピアソン 『ザ・ライト・タッチ