『OUT LOUDER DISC 2』の2曲目は【CACHACA − LIVE】(以下【カシャサ】)。

 【カシャサ】の主役は“キョンシー”と化したジョン・メデスキオルガンであるが,ジョン・スコフィールドの「追っかけ」としては,メロディーをアウトさせようとも決してリズムはアウトさせない,圧倒的なギターの方に耳が行く。

 ジョン・スコフィールドが控え目に,でも本気でギターを“弾き倒している”。雰囲気としてはラウンジ系で一時期人気になっていたグラント・グリーンのマイナー盤に寄せているが,それでいて徹底的に無国籍ギターを貫いている。

 怪しげなテーマはジョン・メデスキあってのものであるが,ビリー・マーチンの乾いたパーカッションクリス・ウッドのよく歌うベースがズルズルと引っ張っていればこそ…。

 【カシャサ】はベーシックで単調なリズムと思わせといて,実はビリー・マーチンクリス・ウッドが一音ごとに1分後のアクセントを作っているんだよなぁ。ブルースだけでもファンキーだけでもない。だからジャズジャズと呼ぶしかない。

 ビリー・マーチンクリス・ウッドの音塊りに身を委ね,ジョン・スコフィールドの音塊りに固定され,ジョン・メデスキの音塊りと共に飛んでいく〜。

 【カシャサ】片手に,頭を空っぽしながら,上から見下ろす景色とは,下から見上げる景色とは,バンジー,バンジー,バンバンジー。いや〜,超超・気持ちいい〜。

 
MEDESKI SCOFIELD MARTIN & WOOD
JOHN MEDESKI : Keyboards
JOHN SCOFIELD : Guitars
BILLY MARTIN : Drums, Percussion
CHRIS WOOD : Basses

OUT LOUDER-1
OUT LOUDER
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