『FACE TO FACE』の8曲目は【WHO CAN I TURN TO】(以下【フー・キャン・アイ・ターン・トゥ】)。

 【フー・キャン・アイ・ターン・トゥ】が『FACE TO FACE』での,“フュージョントランぺッタータイガー大越のハイライトである。

 【フー・キャン・アイ・ターン・トゥ】の名演は多いが,個人的には『WYNTON MARSALIS』収録のウイントン・マルサリスの演奏がNO.1である。

 そんなウイントン・マルサリスと同じトランぺッタータイガー大越の【フー・キャン・アイ・ターン・トゥ】に,ウイントン・マルサリスの再来,を大いに期待して聴いてみたが,ウイントン・マルサリスとは全く異なるアプローチ,しかしそれでいてタイガー大越の「甘くふくよかなトランぺット」を,これでもか!というくらいに聴かせてくる。

 フォーカスが美メロではなくトランぺット1点のみに当てられている。バックと一緒にワッと盛り上げる時間がないのだから,個人的には無伴奏の方が良かったかもしれないと思う。

 ナニワ・エキスプレスの「外典」の1枚である『FACE TO FACE』は,アップテンポのフュージョン・ナンバーが多くて,でもそれだから大好きなのだが,アルバムの評価抜きに“フュージョントランぺッタータイガー大越の「素顔」が聴ける。

 【フー・キャン・アイ・ターン・トゥ】の伸びやかな音色抜きにタイガー大越は語れない。

 
TIGER OKOSHI : Trumpet, Voices
GERRY ETKINS : All Keyboards, Synthesizer Programings, Acoustic Piano
TAKAYUKI HIJIKATA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
KOH SHIMIZU : Electric Bass, Synthesizer Bass
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums

FACE TO FACE-1
フェイス・トゥ・フェイス
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