『AL HAIG QUARTET』の3曲目は【YOU GO TO MY HEAD】(以下【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】)。

 アル・ヘイグに限ったことではないが,概ね,バップ期の録音はダイナミックレンジはない。だからといって中域が豊かでもない。バスドラのほとんど使われていなし低域は,管理人自慢のオーディオ・システムでないと厳しいレベル。ドンシャリではなくシャリに偏る傾向がある。

 だ・か・ら・副産物としてバラードがどれもいい感じに鳴る。【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】も甘美なバラードなので,中高域に偏った録音にドンピシャリ。いつもの2倍3倍,グッときてしまう。

 アル・ヘイグが【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】の世界に没入している。【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】の歌詞が聞こえてきそうな,コロコロと浅い部分で転がり続けるピアノが静かに語りかけてくる。
 おやっ,もしや気持ちの入ったアル・ヘイグが演奏中に涙をこぼしている…。

 他のトラックでは脇役止まりのベニー・ウィークスのロング・ギターソロが大仕事。1分54秒からの3分35秒までのギターソロの効果が絶大であって,ロマンスの局面を一変させる3分36秒からのアル・ヘイグアドリブが凄く馴染みがいい。

 【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】のハイライトは1分14秒の連打から始まる1分34秒までの,楽譜にはない音を入れ続ける手数の多い和音のカウンターにある。アル・ヘイグのこのハイセンスが大大好き!

 
AL HAIG : Piano
BENNY WEEKS : Guitar
PHIL BROWN : Drum
TEDDY KOTICK : Bass

AL HAIG QUARTET-1
AL HAIG QUARTET
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