『MOUNTAIN DANCE』の1曲目は【RAG−BAG】(以下【ラグ・バッグ】)。

 カシオペアスクェア,そしてウェザー・リポートくらいしか聴いていない頃に出会った,管理人の初めての「黒」が【ラグ・バッグ】のような気がしている。
 それくらいに【ラグ・バッグ】の「黒」であるファンク,つまりは“超絶技巧”で成り上がってきたマーカス・ミラーにしては,かなり緩めのチョッパーベースが田舎っぽく聴こえて,これが本当にNY?と思った記憶がある。

 やはり今の耳からしても【ラグ・バッグ】は田舎っぽい。70年代のフュージョンの香りがレトロっぽい。でもそこも含めてやっぱりいいんだよなぁ。
 毎回違った楽器構成でテーマ部のユニゾンが奏でられる度に,マーカス・ミラーチョッパーベースがアクセントを付ける度に,突然唐突に転調するブリッジが始まる度に,全盛を誇った70年代フュージョンの郷愁を強烈に感じてしまう。

 【ラグ・バッグ】とはキラキラ・ユニゾンのポップ・ファンクである。「西のデイヴ・グルーシン」は「白T」ではなく「黒」である。
 本来は「東のボブ・ジェームス」のリズム隊が西であり,本来は「西のデイヴ・グルーシン」のリズム隊が東,というクロス現象がフュージョンを体現したトラックである。

 
DAVE GRUSIN : Piano, Fender Rhodes, Synthesizer
JEFF MIRONOV : Guitar
MARCUS MILLER : Bass
HARVEY MASON : Drums
RUBENS BASSINI : Percussion
IVAN UNDERWOOD : Synthesizer
EDWARD WALSH : Synthesizer

MOUNTAIN DANCE-1
MOUNTAIN DANCE
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ローマ11章 神の知恵の深さ
デューク・ピアソン 『ハウ・インセンシティヴ