『DISPENSATION』の8曲目は【ISLAND】。

 【ISLAND】がジンサクの“最高傑作”である。とにかく爽やかでHAPPYで聴いているだけで幸せになる。こんな曲はそうそうないと思う。

 イントロの2秒間のシンバルの後で一瞬溜めた後で,一斉に鳴りだすスター軍団の楽器群にゾクゾクする。ほぼ誰かと誰かがユニゾンしながら曲が展開していく。ブレイクのくだりだけはギターに任せることに決めたのは角松敏生の特権である。

 ジンサクの2人はリズム・キープの役割に徹しており,ちょっと打ち込みっぽい感じ。クレジットではギタリストが3人明記されているがギターもメロディーをなぞりながら彩を添えるくらい。

 【ISLAND】の主役は,角松敏生が“惚れ込んでいる”数原晋フリューゲルホーン! 数原晋が吹き上げる「丸い光」のフリューゲルホーンは朝日のようでもあり夕焼けのようでもある。
 そんなフリューゲルホーンのカウンター役としてキラキラと煌めく塩谷哲ローズピアノに【ISLAND】のイメージを重ねてしまう。

 【ISLAND】があればどんな辛くどんなに困難な人生でも乗り越えてゆける。勇気をもらえる美メロにただただ感動する。
 でもその一方でフリューゲルホーンの音階が上がっていくにつれ,もうどうにでもして!的な感情に襲われてしまう。
 こんな矛盾が同居している,これしかない!的な絶妙なバランスのサウンド・メイクにジンサクの“最高傑作”を宣言する!

 
JIMSAKU
AKIRA JIMBO : Drums
TETSUO SAKURAI : Bass

TOSHIKI KADOMATSU : Guitar, Keyboards, Computer Programming
SATORU SHIONOYA : Fender Rhodes Solo
SUSUMU KAZUHARA : Flugelhorn
YOSHIYUKI "BUTCHER" ASANO : Guitar
HIDETOSHI SUZUKI : Guitar
HIROSHI YAMADA : Computer Manipulator

DISPENSATION-1
DISPENSATION
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION



コリント第二2章 喜びの訪問にしたいというパウロの願い
本田雅人 『WHAT IS FUSION - SOUND EDITION