『GIL EVANS:LIVE AT THE PUBLIC THEATER DISC 1』の2曲目は【JELLY ROLLS】(以下【ジェリー・ロールズ】)。

 【ジェリー・ロールズ】での,大編成だからできる「音の大物感」が“音の魔術師”と称されるギル・エヴァンスの大仕事。
 ビッグ・バンドの定番曲風なテーマに魅了される【ジェリー・ロールズ】であるが,何度も繰り返し聴き込んでいるうちに,テーマの後ろで鳴っている「パンくず」のような無駄な音に愛着を感じるようになった。

 「パンくず」なのだから,それは意図的な駄音ではない。パンを作る過程でどうしても剥がれ落ちる「パンくず」のように,あの極上のアンサンブルを作ったがゆえに発生した副産物のような「要らない音」が愛おしく感じられるようになった。

 1コーラス毎に少しづつ変化する,メンバーの遊び心が「一周回って」あの極上のテーマが出来上がっているし,メンバー間でのイメージのギャップが「パンくず」を発生させている。「パンくず」なしのビッグ・バンドは,所詮は巨大なビブラート!

 
GIL EVANS : Electric Grand Piano
MASABUMI KIKUCHI : Synthesizer
PETE LEVIN : Synthesizer
TIM LANDERS : Electric Bass
BILLY COBHAM : Drums
ALYRIC LIMA : Percussion
ARTHUR BLYTHE : Soprano Saxophone, Alto Saxophone
HAMIET BLUIETT : Baritone Saxophone, Alto Flute
JOHN CLARK : Frenh Horn
LOU SOLOFF : Trumpet
JOHN FADDIS : Trumpet
HANNIBAL MARVIN PETERSON : Trumpet
GEORGE LEWIS : Trombone
DAVE BARGERON : Trombone, Tuba

GIL EVANS:LIVE AT THE PUBLIC THEATER-1
GIL EVANS:LIVE AT THE PUBLIC THEATER
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コリント第二6章 不釣り合いな結び付きを持ってはならない
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