『WELCOME TO THE ST.JAMES’ CLUB』の1曲目は【WELCOME TO THE ST.JAMES’ CLUB】(以下【聖ジェームス・クラブへようこそ】)。

 【聖ジェームス・クラブへようこそ】のワクワクする高揚感。これ最高! 個人的にリッピントンズと来れば【聖ジェームス・クラブへようこそ】をバンドの代表曲として推薦する。

 【聖ジェームス・クラブへようこそ】は,難解なコード進行とキャッチーなメロディー・ラインをもつ軽快なフュージョン・ナンバー! 仮想の名店【聖ジェームス・クラブ】とは,清廉潔白な人だけが,純粋に踊る目的で入店し,休憩の合間にカクテル片手におしゃべりできる“社交の場”なのだろう。
 決してセレブな会員制ではないとしても,普段は真面目に仕事に全力投球しているビジネスマンが,仕事なんか全部忘れて,これから数週間はバカンスに没頭! やり残した仕事があっても放ったらかし,気分は旅行前日の夜から全面トロピカル〜!

 【聖ジェームス・クラブへようこそ】は,カラフルな音色の「波」を聴いているだけでエネルギーがもらえるし元気が出る! 【聖ジェームス・クラブ】なのだから,舞台は夜のはずなのに,昼間の太陽の下で開かれるパーティー会場の雰囲気アリアリ! 

 そんな楽し気な映像が自然な形で目の前に浮かんでくるのも,全てはラス・フリーマンの綿密な「カット割り」の賜物であろう。
 【聖ジェームス・クラブへようこそ】でのラス・フリーマンのメインの楽器はキーボードである。あのキーボードのアタックだけで,幕が一瞬で変わる。ちょい役のギターであるが,ここぞという場面で「踊り狂う」。随分とコマーシャルなギターが最高である。

 【聖ジェームス・クラブへようこそ】のベーシック・トラックは,ラス・フリーマンの「一人多重録音」であって,そこにラス・フリーマンではどうにも出せない,味わいや色彩を加える形でバンド・メンバーの演奏がMIXされた,リッピントンズの代表曲。

 100回以上聴いているうちに,管理人は2コーラス目で入ってくるカール・アンダーソンヴォーカルでの「ユニゾン待ち」体質になってしまった。要所要所で耳に飛び込んでくるスティーヴ・リードパーカッションが本当に良い感じ〜。
 目まぐるしく変わる曲展開とアドリブが共存する絶妙なアレンジ具合にラス・フリーマンの“天才”を感じずにはいられない!

 
RIPPINGTONS FEATURING RUSS FREEMAN
RUSS FREEMAN : Drums, Bass, Keyboards, Keyboard Programming, Acoustic Guitar, Electric Guitar, Guitar Synthesizer
JEFF KASHIWA : Saxophone, EWI
TONY MORALES : Cymbals, Hat
STEVE REID : Percussion
BRANT BILES : Additional Shaker
CARL ANDERSON : Vocal
LYNN FIDDMONT : Vocal

WELCOME TO THE ST. JAMES' CLUB-1
聖ジェームス・クラブへようこそ
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本田雅人 『CARRY OUT