『ＡＢＣ』の６曲目は【ＳＵＢＣＯＮＳＣＩＯＵＳ　ＬＥＥ】（以下【サブコンシャス・リー】）。

　疾走するピアノ・トリオの【サブコンシャス・リー】で，高瀬アキは“ＣＯＯＬ派”リー・コニッツのヨーロピアン・ジャズを表現している。

　ピアノ・トリオ３人のソロ廻しが見せ場であるが，先発の高瀬アキのアドリブはトリオ全体のまとめ役として土台作りをして終わり，続くセシル・マクビーのベースとボブ・モーゼスのドラムに時間とスペースを与えている。

　３人の一体感あるアドリブが素晴らしく「表向き」力強くもオーソドックスなアメリカン・ジャズを演奏しているが，高瀬アキの計算通りに“ＣＯＯＬ派”リー・コニッツとヨーロピアン・ジャズの相性の良さが感じられる。

　この意外な選曲とアメリカンな演奏が「一服の清涼剤」として『ＡＢＣ』独特のフリー・ジャズに溶け込んで見事に機能している。

 
AKI TAKASE : Piano
CECIL McBEE : Bass
BOB MOSES : Drums
SHEILA JORDAN : Voice

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テサロニケ第二2章　不法の者
ビル・エヴァンス　『インタープレイ』