『KEEP ALIVE』の6曲目は【MOON BEAM】。

 【MOON BEAM】の演奏が素晴らしい。この激しさと美しさの両立は「KEEP」か「PRISM」でないと表現できない。でもなぁ。こんな素直な感じに感情を表現するのは普通すぎるよなぁ。
 『ROCK’N ROCKED ROCK』の【MOON BEAM】が良すぎたんだよ。きっとそうなんだよ。
 こちらはこちらで文句のつけようのない演奏なのだからそのように自分を慰めるしかない。

 芸の細かく起伏の激しいオリジナルの【MOON BEAM】は,スリリングな展開で様々な曲想が交差しながら“恍惚の表情を浮かべながら”進んでいくのだが『KEEP ALIVE』は「ロックン・ロールの一本調子」な感じで,深町純が譜面で意図した多彩な世界観が膨らんでいない。

 一聴,原音に忠実なようで『KEEP ALIVE』の【MOON BEAM】は,元来,深町純が「KEEP」に期待した演奏ではないと思う。
 ストレートなロックやフュージョン・タッチの演奏ならば,他のバンドへの作品提供でも良かった。「KEEP」の特別な個性が薄れた結果のバンド解散だったのだろうか?

 深町純にとって「KEEP」というバンドは常に高尚な存在でなければならない。他のバンドが頑張ればコピーできるくらいの演奏力では「KEEP」を存続させる意味はない。
 そんなことを考えていたら「KEEP」とは,なんだか山口百恵に思えてきた…。今でもその印象が拭えていない…。

 
KEEP
JUN FUKAMACHI : Keyboards
AKIRA WADA : Guitar
YASUO TOMIKURA : Bass
HIDEO YAMAKI : Drums

KEEP ALIVE-1
KEEP ALIVE
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ヤコブ5章 「はい」は,はいを意味するように
ウェイン・シューター 『ジュジュ