『AUTUMN LEAVES』の1曲目は【JORDU】(以下【ジョードゥ】)。

 ここで否定しておく。今では決して「マンハッタン・ジャズ・クインテット」のことを「投低打高」だと思っているわけではない。ただし【ジョードゥ】を聴くと,今でも昔のなごりで,スティーヴ・ガットの“爆撃機ばりな”ドラミングばかりを耳で追ってしまう自分がいる。

 それほどスティーヴ・ガットのポンポン,ドッカーンなドラミングが気持ち良い。本家の【ジョードゥ】もマックス・ローチドラミングが素晴らしかったが,スティーヴ・ガットドラミングマックス・ローチよりも手数が多く,しなやかに細かく動き,軽く正確でダイナミック! あたかも「スティーヴ・ガット・オン・ステージ」の様相に聴こえてしまって抜けきらない!

 イントロでみんながユニゾンを奏でている時にも,スティーヴ・ガットが1人でアクセントとしてのおかずをいれているし,続くルー・ソロフの物凄いトランペットソロの間中も,ジョージ・ヤングの物凄いテナーソロの間中も,2人の盛り上がりと連動してバックでスティーヴ・ガットドラムを叩きまくっているものだから,絶品のアドリブが霞んでしまうくらいである。

 そうして迎えた4分57秒からのトランペットドラム,そしてテナーサックスドラムのバース交換でスティーヴ・ガットが頂点に立つ!
 「名演の宝庫」であるスティーヴ・ガットにして【ジョードゥ】での大爆発するドラミングを「スティーヴ・ガット名演中の名演」の1つに挙げたいと思う。

 
MANHATTAN JAZZ QUINET
LEW SOLOFF : Trumpet
GEORGE YOUNG : Tenor Saxophone
DAVID MATTHEWS : Piano
CHARNETT MOFFETT : Bass
STEVE GADD : Drums

AUTUMN LEAVES-1
AUTUMN LEAVES
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