『GARY BURTON & KEITH JARRETT』の3曲目は【COMO EN VIETNAM】(以下【コモ・エン・ベトナム】)。

 アフロ・キューバンな【コモ・エン・ベトナム】の聴き所は,サム・ブラウンのフリーキーなギターの響きとキース・ジャレットソプラノサックスにある。

 サム・ブラウンギターがチョーキングしながらバッキング・リズムを刻んでいる様が「ジャズ・ロック」だし,ユニゾンの感じは後のチック・コリアっぽい。
 キース・ジャレットソプラノサックスは,スタートからずっと伴奏に務めていたのだが,ラストで大バズリして本気のサックス・プレイヤーと化している。

 アメリカンカルテットや『スピリッツ』での演奏,あるいはDVDの『アート・オブ・インプロヴィゼーション〜キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』でのサックス奏者たちへの苦言を知る者としては【コモ・エン・ベトナム】でのプロ・サックスを想起してしまう。

 キース・ジャレットという人は,仮にピアノと縁がなく,子供の頃からサックスを吹いていたとしたら,それはそれでウェイン・シューター・クラスな「世界で天下を取れる」超一流のサックス・プレイヤーになったことと思います。

 
GARY BURTON : Vibes
KEITH JARRETT : Piano, Electric Piano, Soprano Saxophone
SAM BROWN : Guitar
STEVE SWALLOW : Bass
BILL GOODWIN : Drums

GARY BURTON & KEITH JARRETT-1
GARY BURTON & KEITH JARRETT
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