『THROB』の1曲目は【HENNIGER FLATS】(以下【ヘニガー・フラッツ】)。

 【ヘニガー・フラッツ】の星5つは開始26秒からのギターの唸り,いいや,これはうなりではなく「なまり」である。
 そう。ジェリー・ハーンギターは演歌である。「こぶしの回った」ギターに圧倒される。

 ジェリー・ハーンギターの“ギュイーン”一発で完全に持っていかれたのだが,当てもなく行ったり来たりするギターのメロディー上に覆い被さってくる1分59秒からのヴァイオリンがこれまた過激チックなサイケであって不穏な雰囲気を増幅させてくる。

 アルバムの1曲目で,それも開始2分の時点で降参である。もう参った。ゲイリー・バートンの「ジャズ・ロック」に魂を射抜かれてしまった。
 ベーススティーヴ・スワロードラムビル・グッドウィンが演出する“ドッタンバッタン”がハマリ過ぎている。

 唯一,POPで音楽のバランスを取っているのがゲイリー・バートンヴァイヴなのだが,不穏な演歌調の雰囲気に合わせるようなヴァイヴの響きは,まるで雅楽のようである。
 ゲイリー・バートンのアルバムを幾枚も聴いていて感じることだが,ゲイリー・バートンの考えるスピリチュアルジャズのキーワードとは,東洋であり日本であり雅楽なのだと思う。

 
GARY BURTON : Vibes, Piano
JERRY HAHN : Guitar
RICHARD GREENE : Violin
STEVE SWALLOW : Bass
BILL GOODWIN : Drums

THROB-1
THROB
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