『THROB』の2曲目は【TURN OF THE CENTURY】(以下【ターン・オブ・ザ・センチュリー】)。

 【ターン・オブ・ザ・センチュリー】は,しなやかなエレクトリックヴァイオリンがテーマ部で美しく躍動する「ジャズ・ロック」の名演である。
 とは言えサビのソロではヴァイオリンはお休みして,ヴィブラフォンギターが,じっくりと聴かせる熱いソロを奏でている。それでバランス的には「ウィズ・ストリングス」的な展開を感じてしまう不思議な構成の名曲でもある。

 そんなエレクトリックヴァイオリンがリードする【ターン・オブ・ザ・センチュリー】を聴いていると,チック・コリアと共演していたジャン=リュック・ポンティヴァイオリンを連想してしまうものである。

 こんな側面にもゲイリー・バートンチック・コリアの繋がりを感じるのだが,やはりヴァイオリンの起用で先んじたのもチック・コリアではなくゲイリー・バートンの方であった。
 今でこそゲイリー・バートンチック・コリアの「連れ」みたいな扱いであるが,それはチック・コリアが余りにも偉大すぎるだけで,ある局面ではゲイリー・バートン主導のアイディアが実を結んでいる。

 
GARY BURTON : Vibes, Piano
JERRY HAHN : Guitar
RICHARD GREENE : Violin
STEVE SWALLOW : Bass
BILL GOODWIN : Drums

THROB-1
THROB
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