この記事は「スーパートリビア」の「グラミー賞 ジャズ部門」との連動記事です。
「スーパートリビア」の記事で記したように,CD購入済の「グラミー・受賞作」(または「グラミー・ノミネート作」)の“お祝いレビュー”(あるいは“残念レビュー”)をUPいたします。
それで読者の皆さん,お断り&再確認しておきますが,レビューするのは既に所有済のCDだけですから〜。追加購入はしませんから〜。
なお,現在「アドリブログ」の「JAZZ/FUSION CD批評」では“1アーティスト1枚縛り”で絶賛レビュー中ですが「グラミー受賞・ノミネート」は“1アーティスト1枚縛り”ノーカウントといたします。
こうなるとパット・メセニーとかチック・コリアとかウェイン・シューターとかのレビュー数が突出する? まぁ,いずれは所有CDを全枚レビューすることになるので,早いか遅いか,の違いだけ!? なお,この連動記事は特別企画ゆえにトラック批評もノーカウントといたします。
トム・スコットのアルバムを買ったのは久しぶりのことである。というか,本音を書けばトム・スコットのアルバムを買ったわけではない。
管理人が『CANNON RE−LOADED:ALL−STAR CELEBRATION OF CANNONBALL ADDERLEY』(以下『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』)を買ったのは「キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート」だから。トム・スコットによるキャノンボール・アダレイ・トリビュートは,実質マーカス・ミラーが率いる「ドリーム・バンド」のアルバムだからである。
マーカス・ミラーのジャズ・アルバムは随分と長い間リリースされていないはずである。
『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』のリリース情報を目にして以降,どうしてもあのマーカス・ミラーの4ビートが聴きたくてたまらなくなってしまった。
だからアルバム1曲目のイントロからしてマーカス・ミラーのベース・ラインに首ったけ。マーカス・ミラーが加わると,マーカス・ミラーの他にリーダーがいるいまいに関わらず,確実にマーカス・ミラーのアルバムになってしまうものだが『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』もその1枚になっている。
トム・スコットはそのことを全部承知で,マーカス・ミラーをいの一番に指名したそうであるが,そんなトム・スコットの狙い通りの,最高に刺激的なキャノンボール・アダレイ・トリビュートが完成している。
『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』におけるトム・スコットの役割とは,演奏したい曲の選曲とイメージをマーカス・ミラーに伝えて,マーカス・ミラーがトム・スコット用に作ったバックサウンドに合わせて“歌う”だけである。
おおっと言いすぎた。トム・スコットがリキを入れているのがアルト・サックスからビシビシと伝わってくる。
事実,トム・スコットが誰かのトリビュート・アルバムを作るのは初めてのことであって,キャノンボール・アダレイがトム・スコットの最初のアイドルなのだそうだ。
フュージョン・サックスで“天下を獲った”トム・スコットのスタイルが意外とオーソドックスなのはキャノンボール・アダレイの影響があるのだろう。
ビートをジャストで鳴らす能力に長けるトム・スコットのアルト・サックスにはキャノンボール・アダレイ直系の,悠然と構えながら繰り出す甘口のハッピー・フィーリングと熱狂的で厳しい演奏スタイルが同居している。
トム・スコットのアルト・サックスが絶好調! トム・スコットもデヴィッド・サンボーンと同じ系列に属するのだからマーカス・ミラーと組んだ時のアルト・サックスが最高潮! イェイ!
マーカス・ミラーが率いる「キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート」なのだから当然のことなのだが,トランペットのテレンス・ブランチャード,キーボードのジョージ・デューク,ドラムのスティーヴ・ガッド,オルガンのラリー・ゴールディングス,ベースのデイヴ・カーペンターも絶好調! キャノンボール・アダレイの人気曲をクールに,そしてファンキーに聴かせてくれている。
ジャズ系に傾いたトム・スコットのアルト・サックスとジャズ・トランペットの「申し子」であるテレンス・ブランチャードのフロントを,軽くグルーヴさせながら最先端の4ビートを鳴らすマーカス・ミラーとスティーヴ・ガッドの現代最高のリズム隊がコントラストを作っている。
そこへジョージ・デュークとラリー・ゴールディングスですぞ!
「キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート」の演奏が極上なのは,この凄腕メンバーの誰1人としてトム・スコットよりも前に出ていないこと。前に出ていなくとも楽器の存在感を半端なく感じるということ。
良い意味で全員がスタジオ・ミュージシャンに戻った感じの演奏で最高に聴かせてくれている。
本当にいい演奏ばかりなので個人的に2008年度のベスト・アルバムは,マーカス・ミラー率いる「ドリーム・バンド」の『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』で良いと思っている。超絶素晴らしい!
それにしてもトランペットのテレンス・ブランチャードの仕事ぶりにはマイッテしまった。トム・スコットを見事にサポートしている。最高のパートナー仕事であって『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』は,テレンス・ブランチャードを代表する名演の1枚に挙げて良いと思う。
そうして『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』1番の“ご褒美”は,ナンシー・ウィルソンのヴォーカル・ナンバー2曲。凄いディーバがいたもんだなぁ。とにかく圧巻。とにかく素晴らしい。ナンシー・ウィルソンの2曲ばかりを1か月は聴いて過ごしました。2008年の思い出のヒトコマです。
01. Jive Samba
02. Work Song
03. Mercy, Mercy, Mercy
04. Save Your Love For Me
05. Sack O' Woe
06. Country Preacher
07. Inside Straight
08. I Should Care
09. The Masquerade Is Over
10. Stars Fell On Alabama
TOM SCOTT : Alto Saxophone
TERENCE BLANCHARD : Trumpet
GEORGE DUKE : Piano, Rhodes, Wurlitzer
MARCUS MILLER : Bass
STEVE GADD : Drums
LARRY GOLDINGS : B3 Organ
DAVE CARPENTER : Bass
Special Guest:
NANCY WILSON : Vocals
サウルの不従順(サ一13:1-15:35)
赤松敏弘 『MAJESTIC COLORS』
「スーパートリビア」の記事で記したように,CD購入済の「グラミー・受賞作」(または「グラミー・ノミネート作」)の“お祝いレビュー”(あるいは“残念レビュー”)をUPいたします。
それで読者の皆さん,お断り&再確認しておきますが,レビューするのは既に所有済のCDだけですから〜。追加購入はしませんから〜。
なお,現在「アドリブログ」の「JAZZ/FUSION CD批評」では“1アーティスト1枚縛り”で絶賛レビュー中ですが「グラミー受賞・ノミネート」は“1アーティスト1枚縛り”ノーカウントといたします。
こうなるとパット・メセニーとかチック・コリアとかウェイン・シューターとかのレビュー数が突出する? まぁ,いずれは所有CDを全枚レビューすることになるので,早いか遅いか,の違いだけ!? なお,この連動記事は特別企画ゆえにトラック批評もノーカウントといたします。
Category 45 - Best Contemporary Jazz Album ; Cannon Re-Loaded: All-Star Celebration Of Cannonball Adderley / Gregg Field & Tom Scott, producers

管理人が『CANNON RE−LOADED:ALL−STAR CELEBRATION OF CANNONBALL ADDERLEY』(以下『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』)を買ったのは「キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート」だから。トム・スコットによるキャノンボール・アダレイ・トリビュートは,実質マーカス・ミラーが率いる「ドリーム・バンド」のアルバムだからである。
マーカス・ミラーのジャズ・アルバムは随分と長い間リリースされていないはずである。
『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』のリリース情報を目にして以降,どうしてもあのマーカス・ミラーの4ビートが聴きたくてたまらなくなってしまった。
だからアルバム1曲目のイントロからしてマーカス・ミラーのベース・ラインに首ったけ。マーカス・ミラーが加わると,マーカス・ミラーの他にリーダーがいるいまいに関わらず,確実にマーカス・ミラーのアルバムになってしまうものだが『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』もその1枚になっている。
トム・スコットはそのことを全部承知で,マーカス・ミラーをいの一番に指名したそうであるが,そんなトム・スコットの狙い通りの,最高に刺激的なキャノンボール・アダレイ・トリビュートが完成している。
『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』におけるトム・スコットの役割とは,演奏したい曲の選曲とイメージをマーカス・ミラーに伝えて,マーカス・ミラーがトム・スコット用に作ったバックサウンドに合わせて“歌う”だけである。
おおっと言いすぎた。トム・スコットがリキを入れているのがアルト・サックスからビシビシと伝わってくる。
事実,トム・スコットが誰かのトリビュート・アルバムを作るのは初めてのことであって,キャノンボール・アダレイがトム・スコットの最初のアイドルなのだそうだ。
フュージョン・サックスで“天下を獲った”トム・スコットのスタイルが意外とオーソドックスなのはキャノンボール・アダレイの影響があるのだろう。
ビートをジャストで鳴らす能力に長けるトム・スコットのアルト・サックスにはキャノンボール・アダレイ直系の,悠然と構えながら繰り出す甘口のハッピー・フィーリングと熱狂的で厳しい演奏スタイルが同居している。
トム・スコットのアルト・サックスが絶好調! トム・スコットもデヴィッド・サンボーンと同じ系列に属するのだからマーカス・ミラーと組んだ時のアルト・サックスが最高潮! イェイ!
マーカス・ミラーが率いる「キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート」なのだから当然のことなのだが,トランペットのテレンス・ブランチャード,キーボードのジョージ・デューク,ドラムのスティーヴ・ガッド,オルガンのラリー・ゴールディングス,ベースのデイヴ・カーペンターも絶好調! キャノンボール・アダレイの人気曲をクールに,そしてファンキーに聴かせてくれている。

そこへジョージ・デュークとラリー・ゴールディングスですぞ!
「キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート」の演奏が極上なのは,この凄腕メンバーの誰1人としてトム・スコットよりも前に出ていないこと。前に出ていなくとも楽器の存在感を半端なく感じるということ。
良い意味で全員がスタジオ・ミュージシャンに戻った感じの演奏で最高に聴かせてくれている。
本当にいい演奏ばかりなので個人的に2008年度のベスト・アルバムは,マーカス・ミラー率いる「ドリーム・バンド」の『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』で良いと思っている。超絶素晴らしい!
それにしてもトランペットのテレンス・ブランチャードの仕事ぶりにはマイッテしまった。トム・スコットを見事にサポートしている。最高のパートナー仕事であって『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』は,テレンス・ブランチャードを代表する名演の1枚に挙げて良いと思う。
そうして『キャノン・リローデッド〜キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート』1番の“ご褒美”は,ナンシー・ウィルソンのヴォーカル・ナンバー2曲。凄いディーバがいたもんだなぁ。とにかく圧巻。とにかく素晴らしい。ナンシー・ウィルソンの2曲ばかりを1か月は聴いて過ごしました。2008年の思い出のヒトコマです。
01. Jive Samba
02. Work Song
03. Mercy, Mercy, Mercy
04. Save Your Love For Me
05. Sack O' Woe
06. Country Preacher
07. Inside Straight
08. I Should Care
09. The Masquerade Is Over
10. Stars Fell On Alabama
TOM SCOTT : Alto Saxophone
TERENCE BLANCHARD : Trumpet
GEORGE DUKE : Piano, Rhodes, Wurlitzer
MARCUS MILLER : Bass
STEVE GADD : Drums
LARRY GOLDINGS : B3 Organ
DAVE CARPENTER : Bass
Special Guest:
NANCY WILSON : Vocals
(コンコード/CONCORD 2008年発売/UCCO-1028)
(ライナーノーツ/トム・スコット,小川隆夫)
(ライナーノーツ/トム・スコット,小川隆夫)
サウルの不従順(サ一13:1-15:35)
赤松敏弘 『MAJESTIC COLORS』