『MANA』の5曲目は【MANA】(以下【マナ】)。

 【マナ】を聴いていると,意識的に聞いているつもりがないとしても,森山威男ドラムの「轟音」の“地鳴り”や“地響き”を感じると思う。

 これって身体で音圧を感じるという意味ではない。読者の皆さんの中には,聴くという行為は,音を耳で聴いていると考えているかもしれないが,人間は実際には耳1つだけではなく,複数の器官を使って身体全体を使って聴いている,という事実をご存じだろうか?
 スピーカーから音が出る時,確かに耳で聞いてもいるが,そもそも音は波形として人間に伝わるものであり,それを受け止めるのは肌。この肌で人は音圧を感じている。

 ライブハウスに行くとベースの重低音が肌に当たる感覚で「音楽は肌で聴いている」を実感するのだが【マナ】を聴いていると,ライブハウスではなく家の中のリスニングルームで聴いているのに音楽は肌で聴いている」気分になる。

 最初から最後まで森山威男ドラムの「ゴォー」という「轟音」が鳴り続ける【マナ】。
 森山威男ドラムを「肌で聴いている」と森山威男ドラムはオーケストラの打楽器奏者に思えてくる。改めて森山威男こそが「日本一のドラマー」である。

 
TAKEO MORIYAMA : Drums
FUMIO ITABASHI : Piano
TOSHIHIKO INOUE : Soprano Saxophone, Tenor Saxophone
EIICHI HAYASHI : Alto Saxophone
HIROSHI YOSHINO : Bass

MANA-1
MANA
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ソロモンの賢明な支配(王一3:1-4:34)
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