『MARCHING IN THE STREET』の7曲目は【BUILDING LOVE(NYMN)】(以下【ビルディング・ラブ】)。

 ゴスペル・タッチの【ビルディング・ラブ】に「コンポーザー」ハーヴィー・メイソンの“天才”を聴く!
 後に数多くの名曲を書き下ろしたハーヴィー・メイソンの「最初の名曲」が【ビルディング・ラブ】であろう。

 ハーヴィー・メイソン一流の「アフリカン・アメリカン」なメロディーが一度聴いたら忘れられないし,ファンキーなビートがメロディアスに歌っているのに二度ビックリ!
 そんなハーヴィー・メイソン渾身の1曲を,ハーヴィー・メイソンの想像を超えたところで演奏するのが【ビルディング・ラブ】の肝!

 イントロからピアノに被さってくるデイヴ・グルーシンのアナログ・シンセの温かな音色で“じんわり”来ているところに,アーニー・ワッツの豪快なテナーソロ&クライマックスを演出する女性コーラス隊の大盛り上がりなフラッシュバックが一気に涙を誘ってくる。
 そうしてラストのトドメが,またしてもデイヴ・グルーシンのアナログ・シンセの「きれいな波形」の連射が全員のタクトを止めている。

 人間っていいよな。故郷っていいよな。【ビルディング・ラブ】には音楽の持つ巨大なパワーが秘められている。

 
HARVEY MASON : Drums
CHUCK RAINEY : Bass
PAUL JACKSON : Bass
HERBIE HANCOCK : Piano
DAVE GRUSIN : Piano
LEE RITENOUR : Guitar
BLUE MITCHELL : Trumpet
OSCAR BRASHER : Trumpet
FRANK ROSOLINO : Trombone
GEORGE BOHANNON : Trombone
BENNY MAUPIN : Saxophone
ERNIE WATTS : Saxophone
HUBERT LAWS : Flute

MARCHING IN THE STREET-1
MARCHING IN THE STREET
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