『OPEN LETTER』の3曲目は【ADRIFT】(以下【アドリフト】)。

 【アドリフト】は“テンション高め”のラルフ・タウナーとパーカッシブなピーター・アースキンドラミングを中和するのが,ラルフ・タウナーの「第二の楽器」であるシンセサイザーである。

 ラルフ・タウナーの単音パルス系のシンセサイザーが【アドリフト】の場面展開とリズム・キープの役割を担っている。
 ゆえにピーター・アースキンドラムが“喰い気味”なギターを上手にいなし続けているし,より自由にメロディーへのアクセントを加えている。

 ECMでのピーター・アースキンは「大人の魅力」で満ちている。ラルフ・タウナーの右腕としてマンフレート・アイヒャーに指名されるわけである。
 しか〜し,2番手=ピーター・アースキン名演の理由は,3番手=ラルフ・タウナーの「第二の楽器」シンセの働きがあればこそ! シンセドラムの絡みに「負けないため」の“テンション高め”のジャズギター

 
RALPH TOWNER : Classical Guitar, 12-String Guitar, Synthesizer
PETER ERSKINE : Drums

OPEN LETTER-1
Open Letter
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第五部(格31:1-31)
秋吉敏子 『シック・レディ