『THORN』の2曲目は【TIME BACK】(以下【タイム・バック】)。

 【タイム・バック】でのジャック・デジョネットの「狂ったような」ドラミングを聴くにつけ,ここまでジャック・デジョネットを本気にさせたアントニオ・ファラオの“天才”が伝わってくる思いである。

 ミディアム・ナンバーなのに,こんなにもドラムが忙しくしてよいのだろうか? こんなにもドラムに手数が必要なのだろうか? ジャック・デジョネットの「品評会」さながらの“熟練の”ドラミングにただただ圧倒されてしまうのだが,いや〜,アントニオ・ファラオというピアニストも稀に見る「ピアノの達人」であった。

 アントニオ・ファラオの左手が一定のミディアム・テンポで上下する中,右手から繰り出される「あの手この手」の変化球が実に多彩で,リズムは一定なのにアクセントが全部違うというか,そんなピアノの表情の違いを,上記ジャック・デジョネットは,ただ単純にドラムに置き換えて表現したにすぎない。そう思うようになった今日この頃の管理人である。

 
ANTONIO FARAO : Piano
CHRIS POTTER : Tenor Saxophone, Soprano Saxophone
DREW GRESS : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums

THORN-1
THORN
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