『STAR BRIGHT』の6曲目は【A VARIATION ON MONK】(以下【ア・ヴァリエーション・オン・モンク】)。

 【ア・ヴァリエーション・オン・モンク】とはセロニアス・モンクと共演したかった,ディジー・リースの夢を叶えるドリーム・セッション

 「仮想」セロニアス・モンク役のウイントン・ケリーは「パウエル派」なわけでして,ウイントン・ケリーの弾くセロニアス・モンクは「そんなことないのでは?」的なウイントン・ケリー・オリジナルのピアノなのだが,ヘンテコで調子外れなメロディー・ラインは,なんとなくセロニアス・モンク。← なんとなく,クリスタル風。

 【ア・ヴァリエーション・オン・モンク】の聴き所は,実際にセロニアス・モンクと共演していたポール・チェンバースベースアート・テイラードラムの方である。
 特にダイナミックなリズム隊の活躍ぶりは,初期のセロニアス・モンクを彷彿とさせる「正統派としても戦える」セロニアス・モンク時代のリズム隊の香り〜。
 
 【ア・ヴァリエーション・オン・モンク】もブルーノート“らしい”ハード・バップの素晴らしい演奏であるが,擬似ヘンテコ調子なこのトラックだけはディジー・リースの“らしさ”は感じられないかなぁ。

 能天気なウイントン・ケリー・オリジナルの「こねくり回して一周したピアノ」と,初期セロニアス・モンクの正真正銘のダイナミックなリズム隊と共演したディジー・リースさん,トランペットは全く目立っていませんが,夢は叶いましたか?

 
DIZZY REECE : Trumpet
HANK MOBLEY : Tenor Saxophone
WYNTON KELLY : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
ART TAYLOR : Drums

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STAR BRIGHT
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回復:「十人の者」(ゼカ8:1-23)
五十嵐一生 『CAMEL