この記事は「スーパートリビア」の「グラミー賞 ジャズ部門」との連動記事です。
「スーパートリビア」の記事で記したように,CD購入済の「グラミー・受賞作」(または「グラミー・ノミネート作」)の“お祝いレビュー”(あるいは“残念レビュー”)をUPいたします。
それで読者の皆さん,お断り&再確認しておきますが,レビューするのは既に所有済のCDだけですから〜。追加購入はしませんから〜。
フィリップ・セスの名前を久しぶりに見聞きしたような気がしている。何と!フィリップ・セスがグラミー賞・ジャズ部門にノミネートされたそうじゃないかっ。おめでとう,フィリップ・セス!
個人的にはフィリップ・セスのグラミー・ノミネートのビッグ・ニュースに本当に驚いた!
なぜならフィリップ・セスと来れば,続く言葉は「奇才」であり「アバンギャルド」なのだから,世界の大衆に支持されるグラミー賞とは音楽性としては対極に位置している1人だと思っていたし,ファンとしては結構長い時間フィリップ・セスの動向が伝わってこなかったし,これはもうラス・フリーマンのように余力を残して引退したかのように思っていたのだから。
事実『AT WORLD’S EDGE』(以下『アット・ワールド・エッジ』)はフィリップ・セスの
NYが終了してLAでの活動開始の最初の1枚に当たる。
伊東たけしとのコラボから始まってドッペルギャンガーでの刺激的なNYサウンドが今でも印象に残っているフィリップ・セスのサウンド・カラーだが,基本的なサウンド・カラーはそのままに「LAのフィリップ・セス」の登場である。
この手のスムーズ・ジャズのアプローチはNYのハイセンス軍団では出せないLAならではの大らかな音が鳴っている。
ウインダム・ヒルを支えた1人としてニュー・エイジ系の楽曲に安定感を感じてしまうが,そこにLAらしいまぶしい太陽と乾いた空気感がブレンドされて,より幅広い層が楽しめる音楽に仕上がっていると思う。
この辺りの「チョイ足し」が一気にグラミーに評価されたのだろう。
勿論“天才”フィリップ・セスのソロ名義なのだから,音の出し入れ加減とか全体のまとめ具合には,流石と唸らせる場面が多々残されており,ヘッドフォンで聴いていると「発見するのが楽しくなる」アルバムで聴き飽きない。
ジャズ/フュージョン系だけでなく,
ポップスやR&Bそのものの楽曲がアクセントとして入れられており,繰り返し何度聴いても疲れないのが「LAのフィリップ・セス」。
『アット・ワールド・エッジ』での,以前より灰汁の取れた丸みのある雰囲気の音楽を聴いていると,往年の松井慶子やら木住野佳子やら,ちょっと外れてクリヤ・マコトっぽさを俄然感じてしまった。こう書けば分かる人には分かると思う。
ハイセンス系のフュージョン好きとしては,ちょっとマニアックだけど,の枕詞なしにお奨めできるフィリップ・セスのアルバム。それが『アット・ワールド・エッジ』である。
01. FROM NOWHERE TO NOW HERE (INTRO)
02. FROM NOWHERE TO NOW HERE
03. THE ROVER
04. BILLY'S BLUES
05. AT WORLD'S EDGE (INSTRUMENTAL)
06. MONDAY AFTERNOON
07. ASSANTE SANA
08. ROPPONGI BLUES
09. THROUGH TAINTED GLASS
10. TOPANGA MOON DANCE
11. JUNTO
12. AT WORLD'S EDGE (VOCAL)
13. LAST LECTURE
14. MARIENBAD
PHILIPPE SAISSE : Piano, Keyboards, Programming
SIMON PHILLIPS : Drums
SCOOTER WARNER : Drums
DAVID FINCK : Acoustic Bass
RON JENKINS : Bass
PINO PALLADINO : Bass
JEFF GOLUB : Guitars
ANNAS ALLAF : Acoustic Guitars, Oud
MARC ANTOINE : Acoustic Guitars
KIRK WHALUM : Tenor Saxophone
JASON GOLLEY : Trumpets, Flugelhorn
RICK BRAUN : Trumpet
JEFF BEAL : Trumpets, Flugelhorn
MICHAEL DAVIS : Trombone, Bass Trombone
DIANE HSU : Flute
LENNY CASTRO : Percussion
JASMINE ROY : Vocals
ANGELIQUE KIDJO : Vocals
DAVID RICE : Vocals
復活の希望の確かさ(コ一15:1-16:24)
和泉宏隆 『HIROTAKA IZUMI COVERS SOUNDTRACKS』
「スーパートリビア」の記事で記したように,CD購入済の「グラミー・受賞作」(または「グラミー・ノミネート作」)の“お祝いレビュー”(あるいは“残念レビュー”)をUPいたします。
それで読者の皆さん,お断り&再確認しておきますが,レビューするのは既に所有済のCDだけですから〜。追加購入はしませんから〜。
Category 45 - Best Contemporary Jazz Album ; At World's Edge / Philippe Saisse

個人的にはフィリップ・セスのグラミー・ノミネートのビッグ・ニュースに本当に驚いた!
なぜならフィリップ・セスと来れば,続く言葉は「奇才」であり「アバンギャルド」なのだから,世界の大衆に支持されるグラミー賞とは音楽性としては対極に位置している1人だと思っていたし,ファンとしては結構長い時間フィリップ・セスの動向が伝わってこなかったし,これはもうラス・フリーマンのように余力を残して引退したかのように思っていたのだから。
事実『AT WORLD’S EDGE』(以下『アット・ワールド・エッジ』)はフィリップ・セスの
NYが終了してLAでの活動開始の最初の1枚に当たる。
伊東たけしとのコラボから始まってドッペルギャンガーでの刺激的なNYサウンドが今でも印象に残っているフィリップ・セスのサウンド・カラーだが,基本的なサウンド・カラーはそのままに「LAのフィリップ・セス」の登場である。
この手のスムーズ・ジャズのアプローチはNYのハイセンス軍団では出せないLAならではの大らかな音が鳴っている。
ウインダム・ヒルを支えた1人としてニュー・エイジ系の楽曲に安定感を感じてしまうが,そこにLAらしいまぶしい太陽と乾いた空気感がブレンドされて,より幅広い層が楽しめる音楽に仕上がっていると思う。
この辺りの「チョイ足し」が一気にグラミーに評価されたのだろう。

ジャズ/フュージョン系だけでなく,
ポップスやR&Bそのものの楽曲がアクセントとして入れられており,繰り返し何度聴いても疲れないのが「LAのフィリップ・セス」。
『アット・ワールド・エッジ』での,以前より灰汁の取れた丸みのある雰囲気の音楽を聴いていると,往年の松井慶子やら木住野佳子やら,ちょっと外れてクリヤ・マコトっぽさを俄然感じてしまった。こう書けば分かる人には分かると思う。
ハイセンス系のフュージョン好きとしては,ちょっとマニアックだけど,の枕詞なしにお奨めできるフィリップ・セスのアルバム。それが『アット・ワールド・エッジ』である。
01. FROM NOWHERE TO NOW HERE (INTRO)
02. FROM NOWHERE TO NOW HERE
03. THE ROVER
04. BILLY'S BLUES
05. AT WORLD'S EDGE (INSTRUMENTAL)
06. MONDAY AFTERNOON
07. ASSANTE SANA
08. ROPPONGI BLUES
09. THROUGH TAINTED GLASS
10. TOPANGA MOON DANCE
11. JUNTO
12. AT WORLD'S EDGE (VOCAL)
13. LAST LECTURE
14. MARIENBAD
PHILIPPE SAISSE : Piano, Keyboards, Programming
SIMON PHILLIPS : Drums
SCOOTER WARNER : Drums
DAVID FINCK : Acoustic Bass
RON JENKINS : Bass
PINO PALLADINO : Bass
JEFF GOLUB : Guitars
ANNAS ALLAF : Acoustic Guitars, Oud
MARC ANTOINE : Acoustic Guitars
KIRK WHALUM : Tenor Saxophone
JASON GOLLEY : Trumpets, Flugelhorn
RICK BRAUN : Trumpet
JEFF BEAL : Trumpets, Flugelhorn
MICHAEL DAVIS : Trombone, Bass Trombone
DIANE HSU : Flute
LENNY CASTRO : Percussion
JASMINE ROY : Vocals
ANGELIQUE KIDJO : Vocals
DAVID RICE : Vocals
(コチ・レコーズ/KOCH RECORDS 2008年発売/VICJ-61587)
(ライナーノーツ/成田正)
(ライナーノーツ/成田正)
復活の希望の確かさ(コ一15:1-16:24)
和泉宏隆 『HIROTAKA IZUMI COVERS SOUNDTRACKS』