『STARLIGHT』(以下『スターライト』)で聴こえる小曽根真はデビッド・ベノアかフィリップ・セス! “王道のスムーズ・ジャズ”にメロメロのトロトロである。 『スターライト』を聴くまでは小曽根真をジャズ・ピアニストと捉えていたが,小曽根真の溢れ出る ...
小曽根 真 ザ・トリオ / パンドラ
抜群のリズム感で「ザ・トリオ」を縁の下で支えてきた北川潔から小曽根真に「前に出てくるタイプと根底から支えるタイプの中間」と称されたジェームス・ジーナスへとベーシストが交代した“新生”「ザ・トリオ」の第1作=『PANDORA』(以下『パンドラ』)は「フィ ...
小曽根 真 ザ・トリオ / ソー・メニー・カラーズ
「今までで,ベストのアルバムができたよ」と小曽根真が得意気に語った『SO MANY COLORS』(以下『ソー・メニー・カラーズ』)こそ「ザ・トリオ」の最高傑作である。 この音楽は正しく『ソー・メニー・カラーズ』と呼ぶにふさわしい。 ジャズからクラシ ...
小曽根 真 ザ・トリオ / ノー・ストリングス・アタッチト
『NO STRINGS ATTACHED』(以下『ノー・ストリングス・アタッチト』)は,文句なしに楽しめる! 『ノー・ストリングス・アタッチト』は,小曽根真ファンにも,ジャズ・ピアノ・ファンにも,心置きなくお勧めできる“ごきげん”名盤である。 『ノー ...
小曽根 真 / WIZARD OF OZONE 〜 小曽根 真ベスト・セレクション
小曽根真本人出演=「アサヒ黒生」のTVCMタイアップ=【ウィー・アー・オール・アローン】の「ソロ・ピアノ・バージョン」目当てに購入した『WIZARD OF OZONE』(以下『WIZARD OF OZONE 〜 小曽根真ベスト・セレクション』)は,小曽 ...
クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ / イン・コンサート完全盤
クリフォード・ブラウンとマックス・ローチの双頭コンボなのだから「クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ」でもいいが「マックス・ローチ=クリフォード・ブラウン」でもいいじゃないか! しかし,ジャズメンの“格”からしてクリフォード・ブラウンの名前がマッ ...
TRIX / PRESENT
TRIXの“最高傑作”が『PRESENT』である。 『PRESENT』の何がそんなにいいかと言えば,まず曲がいい。でもTRIXにはたくさんの名曲が他にもある。 次に演奏がいい。加入4作目となり佐々木秀尚が完璧にフィットしたからだろう。でもTRIXには ...
ドン・チェリー / 永遠のリズム
フリー・ジャズの最大の成果とは集団即興演奏の絶対領域を拡大したことであろう。 フリー・ジャズ以前のモダン・ジャズとは,アメリカやアフリカ発祥のブルースであり黒人の音楽であったのだが「何でもあり」のフリー・ジャズの登場は後の「ワールド・ミュージック」の走 ...
TRIX / ECCENTRIX
実に濃厚な音楽である。細部まで綿密に作り込まれたアルバムである。TRIXの「本気で本気な」アルバム,それが『ECCENTRIX』である。 管理人は知っている。TRIXはいつだって全力で音楽活動に取り組んできたことを…。 熊谷徳明はTRIXのために命を ...
ゲイリー・バートン / グレイト・ヴァイブス〜ハンプ,レッド,バグス,カルに捧ぐ
『FOR HAMP,RED,BAGS,AND CAL』(以下『グレイト・ヴァイブス〜ハンプ,レッド,バグス,カルに捧ぐ』)は,ゲイリー・バートンが4人のヴィブラフォン奏者へ捧げたトリビュート・アルバムであるが,そんな知識は抜きにしてテイストとしては有名 ...
TRIX / FESTA
『FORTUNE』の次が何故に『FESTA』? 佐々木秀尚の次が何故にユッコ・ミラー? この疑問が中々解決されずに『FESTA』を買いそびれていた。『FESTA』を買ったのはユッコ・ミラーの『KIND OF PINK』を聴いた後のことである。 だ〜っ ...
ゲイリー・バートン・クインテット・ウィズ・エバーハルト・ウェバー / リング
純粋にゲイリー・バートンが好きだし,ECMも好きだし,パット・メセニーが大好き! しかし『RING』(以下『リング』)については評価しない。ゲイリー・バートンの“らしさ”が感じられないし,パット・メセニーの“らしさ”が感じられない。唯一,ECMの“らし ...
TRIX / FORTUNE
ギタリストが交代して,TRIXの第四期が始動した。 平井武士から菰口雄矢への交代を受け入れるには長い時間がかかったが,菰口雄矢から佐々木秀尚への交代はすんなり受け入れることができた。 とにかく佐々木秀尚と熊谷徳明との“天性の相性”がチリバツであって, ...
ゲイリー・バートン / グッド・ヴァイブス
ゲイリー・バートンが“ジャズ・ロックの旗手”として,R&B系の猛者たちとの「異種格闘技」セッションの記録が『GOOD VIBES』(以下『グッド・ヴァイブス』)である。 ゲイリー・バートンが『グッド・ヴァイブス』で対峙したR&B系の猛者たちとは,後の ...
TRIX / EVOLUTION
表向き「ロボット・フュージョン」として売り出し中の『EVOLUTION』。ここを素直に“ヴォーカル・フィーチャー・アルバム”と謳わない姿勢にTRIXの“迷い”があると思う。 TRIX・ファンの中には「TRIX“初のヴォーカル・フィーチャーリング”だけ ...
ビル・エヴァンス / プッシュ
多くの人にとってビル・エヴァンスと来れば,この辺のブラコン路線でクラブ・ジャズ路線でスムーズ・ジャズ路線のビル・エヴァンスをイメージするのではなかろうか? セールス的にはビル・エヴァンスのアルバムで一番売れているのが『PUSH』(以下『プッシュ』)で ...
本田 竹曠 / シー・オール・カインド
本田竹曠のジャズ・アルバムにしてソロ・ピアノ・アルバム『SEE ALL KIND』(以下『シー・オール・カインド』)を聴いて,個人的に感じたことが2つある。 それは本田竹曠は,根っからのジャズメンではないということ。本田竹曠は,根っからのピアニストでは ...
ビル・エヴァンス / レット・ザ・ジュース・ルース〜ビル・エヴァンス・ライヴ・アット・ブルー・ノート東京
現代アコースティック・ジャズの名盤『SUMMERTIME』から数カ月もしないうちに録音&発売された,サックスのビル・エヴァンスの“最高傑作”が『LET THE JUICE LOOSE〜BILL EVANS GROUP LIVE AT BLUE NOTE ...
浪花エキスプレス / ノー・フューズ
カシオペアとスクェアの「2強」だけではJ−FUSIONはここまで盛り上がらなかったと思っている。 ここにキレイ目でもPOPでもない,松岡直也やMALTAやプリズムが絡んでいたからこそ,J−FUSIONがブームとなったと思っている。 でもなんだかんだ言 ...
ビル・エヴァンス / サマータイム
ジャズ界にはビル・エヴァンスが2人いる。 このように書くと“ジャズの巨人”ピアノのビル・エヴァンスと比較される,もう1人のビル・エヴァンスがかわいそうと思うなかれ! 確かにピアノのビル・エヴァンスと比較すると「じゃない方」には小者感が出るのであるが, ...
ザ・スクェア・アンド・フレンズ / カラー・パレット
「ザ・スクェア・アンド・フレンズ」名義の『COLOR PALETTE』(以下『カラー・パレット』)について語るとすれば「選曲」についてだけである。 『カラー・パレット』とは1984年から1986年にかけて発売した,ザ・スクェアの『R・E・S・O・R・ ...
ブリジット・フォンテーヌ / ラジオのように
ブリジット・フォンテーヌの『COMME A LA RADIO』(以下『ラジオのように』)は,バックを務めるアート・アンサンブル・オブ・シカゴ目当てで買ったのだが,このアルバムは,ブリジット・フォンテーヌがどうとか,アート・アンサンブル・オブ・シカゴがど ...
菊池 ひみこ / ウーマン
廃盤になった『WOMAN』(以下『ウーマン』)をずっと探していた。正確には【MAKE UP IN THE MORNING】を探していた。 なぜなら【MAKE UP IN THE MORNING】こそが「菊池ひみこの音楽」そのものであり,管理人の「青春時 ...
アーマッド・ジャマル / バット・ノット・フォー・ミー
アーマッド・ジャマルの“最高傑作”が『BUT NOT FOR ME』(以下『バット・ノット・フォー・ミー』)である。 “ジャズの帝王”マイルス・デイビスが演奏を聴くためにクラブに通い詰めた唯一のピアニストであり,マイルス・デイビスが自分のバンドにどう ...
菊池 ひみこ / オーライ
「菊池ひみこ,海を渡る」。それが『ALL RIGHT』(以下『オーライ』)失速の最大要因である。 『ドント・ビー・ステューピッド』でホップして『フラッシング』でステップして『オーライ』でジャンプを決める。 そんなシナリオが立てられた中?菊池ひみこが向 ...
ビル・エヴァンス / トリオ '64
管理人はビル・エヴァンスが大好き。でもそれ以上にキース・ジャレットが大好き。 ゆえにキース・ジャレット・トリオのベーシスト=ゲイリー・ピーコックがビル・エヴァンスと共演した『TRIO ’64』(以下『トリオ ’64』)のお目当てはビル・エヴァンスではな ...
エヴァレット・ハープ / 君への想い
1991年の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」の大トリは「ザ・マーカス・ミラー・プロジェクト」。フィーチャリングはレイラ・ハサウェイのヴォーカルであったが,とにかくメンバーが凄い! ベースのマーカス・ミラー,ドラムのプージー・ベル,ピアノのジョー・サンプ ...
デイヴ・リーブマン・アンサンブル / コルトレーンズ・メディテーションズ
『JOHN COLTRANE’S MEDITATIONS』(以下『コルトレーンズ・メディテーションズ』)とは,デイヴ・リーブマンによるジョン・コルトレーンの『MEDITATIONS』の完コピ・アルバムである。 ジョン・コルトレーンの曲をデディケイショ ...
武田 和命 / ジェントル・ノヴェンバー
『GENTLE NOVEMBER』(以下『ジェントル・ノヴェンバー』)からは,武田和命の“魂のテナー・サックス”がフォーマットを超えてこぼれ落ちている。内から内から漏れ出している。武田和命の“生命の音”が聴こえてくる。 『ジェントル・ノヴェンバー』の ...
バート・シーガー・トリオ / オープン・ブック
管理人はCDコレクターの1人である。確かに所有CD3000枚越えは,普通のジャズ・ファンとしては立派な数字だと思っている。 しかしこの世界は「CD1000枚,2000枚は当たり前」とされる世界である。「上には上」がいる。しかも相当の人数がいる。決して軽 ...
中川 昌三 / ポエジィ
フルート奏者の「世界的権威」である中川昌三は2種類の「アーティスト表記」を持っている。 中川昌三とはジャズ・フルート奏者としての名前であり,それ以外のクラシックや現代音楽のフルート奏者の場合は中川昌巳表記となる。活動内容によって「アーティスト表記」を変 ...
ブラッド・メルドー / ファインディング・ガブリエル
現代のジャズ界を代表する“ジャズ・ピアニスト”であるブラッド・メルドーのグラミー初受賞作は“非ジャズ・ピアニスト”なブラッド・メルドーであった。 この事実が何とも悔しい。それが管理人にとっては『FINDING GABRIEL』(以下『ファインディング・ ...
渡辺 貞夫 / バーズ・オブ・パッセージ
『BIRD OF PASSAGE』(以下『バード・オブ・パッセージ』)は超・名盤である。渡辺貞夫のこの辺の音楽はそのどれもが最高レベル。渡辺貞夫の絶頂期の名盤群については,とやかく語るのはヤボだと思っている。 だから管理人が『バード・オブ・パッセージ ...
クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテット / モア・スタディ・イン・ブラウン
新たな音楽メディアとしてCDが発売され始めた時代のこと,CDとレコードが併売される時代があった。その場合の値段はCDの方が高くて,最初の頃はずっとCDが1枚一律3800円だった。 音楽業界はCDが「夢のメディア」であることは認めつつも,一斉にCD優先に ...
T-SQUARE / クレム・デュ・ラ・クレム
『CREME DE LA CREME』(以下『クレム・デュ・ラ・クレム』)をもって,16年間続いた「河野/坂東」時代が終わった。大団円のフィナーレである。 メンバー・チェンジの激しいバンド史上“最長不倒”となった「河野/坂東」時代の終焉に,今でも頭が ...
アイアート・モレイラ / アイデンティティー
1970年代のフュージョン・シーンの台頭を切り開いた3グループがある。それが“電化”マイルス,ウェザー・リポート,リターン・トゥ・フォーエヴァーである。 この3グループは「マイルス・スクール」のメンバーが重なり合い,互いに刺激し合い,それぞれが異なる ...
アーニー・ワッツ / アイ・ヒア・ア・ラプソディ
アーニー・ワッツと来ればリー・リトナーの「ジェントル・ソウツ」や菊池ひみことのコラボレーションで活躍した「フュージョン・サックスの巨人」のイメージが強かったのだが,実はアーニー・ワッツというテナー奏者は“ゴリゴリのジャズの人”である。 アーニー・ワッツ ...
松岡 直也 feat. トゥーツ・シールマンス & 松木 恒秀 / カレイドスコープ
出発が他社に対抗するためのワーナー・グループによる「高音質盤」の作成のためにあった『KALEIDOSCOPE』(以下『カレイドスコープ』)だが,当の松岡直也にとって「高音質盤」なんて眼中なし。目指したのは,ただただお盛り上がりのセッション大会! 『カ ...
ボビー・ハッチャーソン / エンジョイ・ザ・ビュー
ボビー・ハッチャーソンが37年振りにブルーノートへ復帰したことが話題となった『ENJOY THE VIEW』(以下『エンジョイ・ザ・ビュー』)であるが,管理人にはボビー・ハッチャーソンではなく“デヴィッド・サンボーン買い”であった。 『TIMEAGA ...
スガダイロー / スガダイローの肖像・弐
スガダイローという人は,単なる“ジャズ・ピアニスト”ではない。「新しい音楽の発明家」だと思う。 『スガダイローの肖像・弐』の斬新な音楽性は,フリー・ジャズからはみ出ただけでなく,ジャズというカテゴリーをも超えてしまっている。 『スガダイローの肖像・弐 ...
サイラス・チェスナット / ビフォー・ザ・ドーン
管理人がサイラス・チェスナットを知ったのはマンハッタン・トリニティ以後のことである。 マンハッタン・トリニティにおけるサイラス・チェスナットのピアノが素晴らしい。繊細なピアノ・タッチで美メロのツボを確実に突いていく。カクテルっぽい部分が前面に出てはいる ...
スガダイロー / スガダイローの肖像
『スガダイローの肖像』を買ったのは『スガダイローの肖像・弐』の後だった。『スガダイローの肖像・弐』が超。お気に入りで,これはと“一匹目のドジョウ?”を狙って買った。 結果は「…が,しかし」。でも『スガダイローの肖像』を買って良かった。なぜなら『スガダ ...
フライ・トリオ / イヤー・オブ・ザ・スネイク
ベースのラリー・グレナディアとドラムのジェフ・バラードの組み合わせが,現在考えられる最良のリズム隊の1つに違いない。 現にブラッド・メルドー,チック・コリア,パット・メセニー,そして山中千尋までもが,ラリー・グレナディアとジェフ・バラードが創造するリズ ...
渡辺 貞夫 / リバップ
『RE−BOP』(以下『リバップ』)の聴き所は,渡辺貞夫とブライアン・ブレイドの共演にある。 これって則ち,ブライアン・ブレイドの躍動するドラミングが,あの渡辺貞夫と音を交えてどう反応するかを楽しむアルバムである。 そう。『リバップ』の主役は渡辺貞夫 ...
チック・コリア / ザ・スパニッシュ・ハート・バンド
『ザ・スパニッシュ・ハート・バンド』の原題は『ANTIDOTE』である。 日本盤のタイトルが『ザ・スパニッシュ・ハート・バンド』なので,1976年リリースの「ファンタジー三部作」の第二弾『マイ・スパニッシュ・ハート』のリメイク盤と捉えられがちであるがそ ...
渡辺 貞夫 / ランデブー
『RENDEZVOUS』(以下『ランデブー』)は,プロデューサー兼パーカッションのラルフ・マクドナルド,ドラムのスティーヴ・ガット,ドラムのスティーヴ・ガット,ベースのマーカス・ミラー,キーボードのリチャード・ティー,ギターのエリック・ゲイル,そこへア ...
チック・コリア・アコースティック・バンド / LIVE
「チック・コリア・エレクトリック・バンド」の再結成から遅れること14年。ついに「チック・コリア・アコースティック・バンド」が再始動した。 「アコースティック・バンド」名義としては実に27年振りのライブ・レコーディングとなったのが『LIVE』である。 ...
小沼 ようすけ / ジャム・カ・ドゥ
“衝撃”の『JAM KA』から6年。続編となる『JAM KA DEUX』(以下『ジャム・カ・ドゥ』)は,従来の小沼ようすけのギター・サウンドだけではなく,あの『JAM KA』からも遠く離れてしまっている。 小沼ようすけは,一体どこまで走り続けるつもり ...
チック・コリア / チック・コリア・ソロ Vol.2
ECMのソロ・ピアノと来れば,キース・ジャレット一連のソロ・ピアノが有名であるが,キース・ジャレットに先立つこと半年,レーベル・オーナー兼プロデューサーのマンフレート・アイヒャーが最初に白羽の矢を当てたのは,キース・ジャレットではなくチック・コリアの方 ...
チック・コリア / チック・コリア・ソロ Vol.1
ECMのソロ・ピアノと来れば,キース・ジャレット一連のソロ・ピアノが有名であるが,キース・ジャレットに先立つこと半年,レーベル・オーナー兼プロデューサーのマンフレート・アイヒャーが最初に白羽の矢を当てたのは,キース・ジャレットではなくチック・コリアの方 ...