ボブ・ジェームス最大の「問題作」と書くと語弊があるよなぁ。言葉を選ぶと「衝撃作」と表現した方がピッタリくる。そんな「衝撃作」が『COOL』(以下『クール』)である。 何が「衝撃」だったのか? ここは黙って『FOURPLAY』に続けて『クール』を聴いて ...
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チック・コリア / サンダンス
通称「ロスト・クインテット」への参加で,あのハービー・ハンコックを“出し抜いた”チック・コリアが,アコースティック・ピアノで綴った「電化チック“マイルス”コリア」が『SUNDANCE』(以下『サンダンス』)である。 『サンダンス』には“電化マイルス” ...
ボビー・マクファーリン&チック・コリア・スーパー・コンサート / スペイン
デュエット・アルバムが数十枚も存在するチック・コリア。そんなチック・コリアのデュエット・アルバムの中で,チック・コリアの名前が後から出ているのは,後にも先にもボビー・マクファーリンとのデュエット・アルバム『PLAY』(以下『スペイン』)以外には存在しな ...
山中 千尋 / ランニング・ワイルド〜トリビュート・トゥ・ベニー・グッドマン
『RUNNIN’ WILD』(以下『ランニング・ワイルド〜トリビュート・トゥ・ベニー・グッドマン』)とは,山中千尋による“キング・オブ・スイング”ベニー・グッドマン・トリビュート集。 山中千尋が『ランニング・ワイルド〜トリビュート・トゥ・ベニー・グッ ...
ドン・グルーシン / ゼファー
普通なら「お兄ちゃんが習っているから僕も〜」と弟がお兄ちゃんの真似をしそうに思えるが,殊更,ジャズメンにおいては,肉の兄弟で同じ楽器を演奏するパターンは少ない。 ランディー・ブレッカーがトランペットでマイケル・ブレッカーがテナー・サックス,ブランフォー ...
山中 千尋 / ローザ
山中千尋に(ビジュアル面を含めて)入れ込んでいる管理人。山中千尋のアルバムは全部持っている。だから『ROSA』(以下『ローザ』)も買うのは当然の儀式。でも本音を書くと今回ばかりは「ためらい」があった。 『ローザ』の“売り”は「ピアノ+ベース+ギター」 ...
デイヴ・グルーシン / マイグレーション
フォープレイの前身がボブ・ジェームスのソロ・アルバム『GRAND PIANO CANYON』にあったことは以前に書いたが,実は『GRAND PIANO CANYON』にも前身があった。つまりはフォープレイの元ネタの元ネタに当たる。 それが何と!ボブ・ ...
大西 順子 / バロック
『BAROQUE』(以下『バロック』)の大西順子が重い! 『バロック』の大西順子が強い! いや〜“女帝”大西順子が重くて強い! 大西順子がキビシーイッ! トランペットのニコラス・ペイトン,テナー・サックス,アルト・サックス,バス・クラリネット,フルー ...
T-SQUARE / AI FACTORY
『AI FACTORY』は『REBIRTH』〜『CITY COASTER』の延長線上で評価されるべきアルバムである。 『AI FACTORY』の中に,所謂“キラー・チューン”は入っていない。『AI FACTORY』は楽曲単位で聴くアルバムではない。ア ...
クラーク・テリー / ザ・セカンド・セット〜ライヴ・アット・ヴィレッジゲート
クラーク・テリーとはマイルス・デイビスとオスカー・ピーターソンからベタボメされた「偉大なるトランペッター」である。 しかし,管理人がクラーク・テリーを聴こうと思う時,それはクラーク・テリーのトランペットを聴きたいからではない。管理人の中でクラーク・テリ ...
DIMENSION / 31
カシオペアからの神保彰と櫻井哲夫が脱退した時のような無力感に襲われた。あの時,これからどうやってカシオペアと接していけばよいかが分からなくなった。カシオペアこそが,管理人の「ヒーロー」だったのだから…。 バンドたるもの。メンバー・チェンジがいつかは必 ...
ゲイリー・トーマス / ファウンド・オン・ソーディッド・ストリーツ
『エグザイルズ・ゲイト』からここまで変わって来るか!? これがゲイリー・トーマスの「M−BASE」オルガン・ジャズの2枚目『FOUND ON SORDID STREETS』(以下『ファウンド・オン・ソーディッド・ストリーツ』)を初めて聴いた時の感想であ ...
ゲイリー・トーマス / エグザイルズ・ゲイト
ゲイリー・トーマスがリードする「M−BASE」のオルガン・ジャズが超カッコイイ。これぞ「新しいオルガン・ジャズ」の誕生である。 『EXILE’S GATE』(以下『エグザイルズ・ゲイト』)には,タイプの異なる2つのオルガン・コンボが収められている。 ...
OTOMO YOSHIHIDE'S NEW JAZZ ORCHESTRA / ONJOプレイズ・エリック・ドルフィーズ・アウト・トゥ・ランチ
エリック・ドルフィーの『OUT TO LUNCH』の“痛快”全曲カヴァー集。それが大友良英「ONJO」拡大路線の集大成となる『ONJO PLAYS ERIC DOLPHY’S “OUT TO LUNCH”』(以下『ONJOプレイズ・エリック・ドルフィー ...
ゲイリー・トーマス / ゲイリー・トーマス&パット・メセニー・プレイ・スタンダーズ
『TILL WE HAVE FACES』(以下『ゲイリー・トーマス&パット・メセニー・プレイ・スタンダーズ』)の真実とは『ゲイリー・トーマス&パット・メセニー・プレイ・スタンダーズ』ではない。『ゲイリー・トーマス&テリ・リン・キャリントン・プレイ・“過 ...
峰 厚介−菊地 雅章 / DUO
峰厚介と菊地雅章によるデュエット・アルバムが『DUO』(以下『デュオ』)である。 このデュエットは,峰厚介主導で聴くか? 菊地雅章主導で聴くか? によって印象が随分変わるように思っている。 管理人は『MAJOR TO MINOR』が気に入ったので,そ ...
ゲイリー・トーマス / コールド・ケージ
1980〜90年代にムーブメントを巻き起こした「M−BASE」が,現時点ではジャズ史に登場した最後の「新しいジャズ」である。 あれから随分と時間が経つというのに「M−BASE」の代表作を聴き直すと,未だに軽い衝撃を受けたりする。そんなぶっ飛んだ「M−B ...
デ・ガ・ショー / 続
男の子が自分の父を指差して「ねぇ,見て。あの人が僕のお父さんなんだよ」と,誇らし気に紹介している場面を想像することができるか? その男の子にとって父親とは世界一のスーパースター。世界一強い,世界一カッコイイと心の底から思っている。自慢の父親なのだ。 ...
ゲイリー・トーマス / ザ・ゲイト・イズ・オープン
「M−BASE」の一派のくせして音楽理論などは全く考えていない。無の状態から過激なサウンドをぶつけてくる強心臓男。そのくせジャズの歴史を教養として身に着け,テナー・サックスの扱いに関しても無敵の超絶テクニックを身に着けた男。 「その男,凶暴につき」とは ...
デ・ガ・ショー / DE-GA-SHOW!
近年の村上寛の大ヒットはドラムではなくペンである。特に村上寛自身が大ファンであろう,林栄一と片山広明による“国宝級”双頭バンド=「デ・ガ・ショー」へ寄稿したライナーノーツである。 「デ・ガ・ショー」の1st『DE−GA−SHOW!』(以下『デ・ガ・シ ...
e.s.t. (エスビョルン・スヴェンソン・トリオ) / ホエン・エヴリワン・ハズ・ゴーン
2004年に国内盤としてリマスタリングされて再発された「e.s.t.」の公式デビュー盤『WHEN EVERYONE HAS GONE』(以下『ホエン・エヴリワン・ハズ・ゴーン』)。 『ホエン・エヴリワン・ハズ・ゴーン』の国内盤のリリース1つ前のアルバムは ...
加藤 崇之 / 七つの扉
『SEVEN DOORS』(以下『七つの扉』)は“ジャズ・ギタリスト”加藤崇之からの「第二の衝撃波」だった。 「第一波」は加藤崇之を初めて聴いた「CO2」の『TOKAI』だった。「リアル・フリー・ジャズ・オールスターズ」の「CO2」にあって,あの片山 ...
ゲイリー・ピーコック&ビル・フリゼール / 峠の我が家
ゲイリー・ピーコックとビル・フリゼールによる『JUST SO HAPPENS』(以下『峠の我が家』)を購入したのは2000年のことである。 1994年リリースの本盤。購入が遅れたつもりはない。何度も書いているのだが管理人は(今のところは)パッケージング ...
本田 雅人 B.B.Station / B.B.STATION LIVE AT ROPPOGI PIT INN
T−スクェア退団後の本田雅人の初仕事は“原点回帰”なビッグ・バンド・プロジェクトとなる「本田雅人B.B.STATION」。 『B.B.STATION LIVE AT ROPPONGI PIT INN』の出来が完璧である。初仕事でこのクオリティとは参っ ...
ゲイリー・ピーコック / ヴォイセズ
1st『イーストワード』は,ミュージシャンとしての成長や刺激のためなど関係なく,1人の人間として東洋の思想や禅の世界に興味を抱き来日していたゲイリー・ピーコックの情報を聞きつけた伊藤潔と菊地雅章がセッティングしたレコーディング。。 ゆえに出来上がりは, ...
EQ / サード・リポート
小池修って人気者なんだなぁ。「ミュージシャンズ・ミュージシャン」なんだろうなぁ。 だってSOURCEとEQのフロントマンですよ。ドラムの石川雅春と大坂昌彦が,ベースの青木智仁と納浩一が,キーボードの小野塚晃と青柳誠が,ギターの梶原順とトランペットの佐 ...
ゲイリー・ピーコック / イーストワード
ジャズ・ベース界のレジェンド=ゲイリー・ピーコックの記念すべき初リーダー作はアメリカではなく日本のCBSソニーからのリリースであった。 あのビル・エヴァンス・トリオのベーシストを務め,フリー・ジャズ・シーンでも大活躍してきたゲイリー・ピーコックとしては ...
ブライアン・ブロンバーグ / ベース・アクワーズ
ブライアン・ブロンバーグの『BASS ACKWARDS』(以下『ベース・アクワーズ』)を聴いて,これがベーシストのソロ・アルバムだと思う人は世界に1人もいないことだろう。 『ベース・アクワーズ』とは「100%ギタリスト」のソロ・アルバムに聴こえる。それ ...
石若 駿 / CLEANUP
日本が誇る若手ドラマーの2TOP。その1人がフュージョン方面の坂東慧であれば,もう1人はジャズ方面の石若駿であろう。 T−スクェアのメイン・コンポーザーである坂東慧の作曲センスの高さは有名であるが,石若駿のソロ・デビュー作『CLEANUP』を聴いて, ...
チャーリー・ラウズ / ボサ・ノヴァ・バッカナル
チャーリー・ラウズの『BOSSA NOVA BACCHANAL』(以下『ボサ・ノヴァ・バッカナル』)は,世界的なボサノヴァ・ブームが巻き起こる中でリリースされたボサノヴァ集であるが,ただ流行を追っただけのボサノヴァ・アルバムとは一線を画している。 そう ...
東風 / ウィッシズ
菊地雅章の“電化マイルス”大接近と来れば1981年の『SUSUTO』と1982年の『ONE WAY TRAVELLER』と思われているが,実はその5年前に,それこそ正規“電化マイルス”のサイドメンたちと,トランペッターをマイルス・デイビスから日野皓正に ...
ゲイリー・マクファーランド / ソフト・サンバ
ゲイリー・マクファーランドと来れば,ナベサダ・フリークとしてはやっぱり「ナベサダにブラジル&ボサノヴァの影響を与えた人物」となるだろう。純粋にヴィブラフォン奏者としての評価は抜きにである。 バークレー音楽院を卒業した渡辺貞夫が最初にツアーに参加したの ...
CO2 / TOKAI
テナー・サックスの片山広明とアルト・サックスの林栄一の「変態系2トップ」がフロントを務める「CO2」であるが「CO2」の真の主役はスーパー・ヒーロー・ツイン・サックスではなく加藤崇之の“七色ギター”である。 尤も加藤崇之が前面に出ているわけではない。 ...
チャック・マンジョーネ / フィール・ソー・グッド
『FEELS SO GOOD』(以下『フィール・ソー・グッド』)は“永遠の名盤”である。 何てったって抜群にメロディーが良い。いつまでもメロディーが心に残る。CDを聴く。ただそれだけなのに本当に気分が良くなってくる。徐々にテンポが上がってきて次の展開が ...
山下 洋輔 トリオ / FROZEN DAYS
カシオペア&ザ・スクェアで幕開けした管理人のジャズ/フュージョン人生。そこからまずは主要なフュージョン・グループ,ナニワ・エクスプレス,MALTA,松岡直也辺りを聴きまくりトドメはやっぱりウェザー・リポート。この流れは今でも続いている。 どちらにして ...
ゲイリー・バートン&パット・メセニー / クァルテット・ライヴ
全員がレジェンドでマスターの集まりである“実力派だからここまでできる”軽いセッション・アルバム『LIKE MINDS』とは全く違う,ゲイリー・バートン&パット・メセニーの続編が『QUARTET LIVE』(以下『クァルテット・ライヴ』)。 『LIKE ...
片山 広明 / キャトル
片山広明のテナー・サックスは,深読みとか安易な決めつけを許さない奥の深さがあって「片山広明ってこんな感じだよね」と思っていると,あっさり裏切られたりする。 ピアノレス・バンドを率いてきた片山広明が,初めてピアニストを擁した「キャトル・バンド」がそうであ ...
ゲイリー・バートン / ジェネレーションズ
ゲイリー・バートン,小曽根真,そうして「新星」ジュリアン・レジ。 『GENERATIONS』(以下『ジェネレーションズ』)とは,そんな三世代のスター揃い踏みの意味なのであろう。仮にそうでないとしても『ジェネレーションズ』の音造りは3者が均等にリーダーと ...
小曽根 真 FEATURING NO NAME HORSES / ROAD
J−ジャズ界のサラブレットばかりが集まった,スーパー・ビッグ・バンド=ノー・ネーム・ホーセズは1stの録音時からすでに完璧に出来上がっていた。 あの『NO NAME HORSES』から10年。2枚目『Ⅱ』以降は曲の良さとアレンジの良さで勝負するビッグ ...
ゲイリー・バートン・ウィズ・チック・コリア/パット・メセニー/ロイ・ヘインズ/デイヴ・ホランド / ライク・マインズ
管理人がパット・メセニー・フリークだからなのだろう。オールスター・セッションの『LIKE MINDS』(以下『ライク・マインズ』)をして,これぞ,パット・メセニーを聴くためのアルバムだと感じてしまう。 勿論,リーダーであるゲイリー・バートンのヴィヴラ ...
SOURCE / SOURCE
SOURCEとは,ドラムの石川雅春,ベースの青木智仁,ギターの梶原順,サックスの小池修,トランペットの佐々木史郎の5人組に,キーボードの小野塚晃がスーパー・サポートとして加わるJ−フュージョンの超強力バンド。 このメンツを眺めるとバンド結成〜即アルバ ...
ゲイリー・バートン & 小曽根 真 / フェイス・トゥ・フェイス
ゲイリー・バートンの凄さとは誰とだって合わせられることだと思う。同じピアノとヴィヴラフォンのデュエットなのに,チック・コリアと小曽根真はまるで違う。 ゲイリー・バートンのヴィヴラフォンとは「リトマス試験紙」!(← ぴったりの例えが浮かびません) ゲイ ...
富樫 雅彦+菊地 雅章 / コンチェルト
研ぎ澄まされ,考え抜かれた音を即興で配置するパーカッションの富樫雅彦とピアノの菊地雅章。 発せられる直前まで悩み抜き,磨かれ選び抜かれた音を精妙に配置し合う。音を奏でることは音と音の間を浮き立たせることである。そう言わんとする演奏が多い。 「J−ジャ ...
ゲイリー・バートン&フレンズ / リユニオン
『REUNION』(以下『リユニオン』)は100%パット・メセニーのためのアルバムである。 でもこれってパット・メセニーの意志ではない。全ては“大将”ゲイリー・バートンが仕組んだ「フィーチャリング・パット・メセニー」な名企画。 ズバリ『リユニオン』の ...
ゲイリー・バートン / アローン・アット・ラスト
ゲイリー・バートンの“最高傑作”が『ALONE AT LAST』(以下『アローン・アット・ラスト』)である。 『アローン・アット・ラスト』とは,LPのA面がモントルー・ジャズ・フェスティバルにおける圧巻のソロ・パーフォーマンス。B面がこちらも“マルチ ...
ネイティブ・サン / アクア・マリン
ジャズ/フュージョン・ファンにとって「ネイティブ・サン」とは「ジャズ/フュージョン」期の『NATIVE SON』と『SAVANNA HOT−LINE』の2枚であろう。 管理人もその意見に全面的に同意する。学生時代には毎日のように『NATIVE SON』 ...
ゲイリー・バートン / ゲイリー・バートン&キース・ジャレット
ゲイリー・バートン&キース・ジャレット名義の『GARY BURTON & KEITH JARRETT』(以下『ゲイリー・バートン & キース・ジャレット』)が1971年。 チック・コリア&ゲイリー・バートン名義の『クリスタル・サイレンス』が1973年。 ...
ゲイリー・バートン / 鼓動
キース・ジャレット命の管理人。全キース・ジャレット・ファンにとって「完全コレクション」への鬼門の1枚は長らく『ゲイリー・バートン & キース・ジャレット』であった。 世界最高のジャズメン,と言うより,世界最高のミュージシャン=キース・ジャレットのアルバ ...
ネイティブ・サン / サヴァンナ・ホット・ライン
アコースティックなジャズからエレクトリックなジャズへの変化を体験してきた本田竹曠,峰厚介,村上寛の面々が,フュージョンという新しいジャズにアプローチすると『SAVANNA HOT−LINE』(以下『サヴァンナ・ホット・ライン』)のように仕上がるのだと思 ...
ゲイリー・バートン / 葬送
『A GENUINE TONE FUNERAL』(以下『葬送』)は,作・演出ともにカーラ・ブレイのアルバムである。 『葬送』におけるゲイリー・バートンの役割とは,ただカーラ・ブレイを「世に売り出す」お手伝いをした。ただそれだけのことである。 よって『 ...